発売延期でファンをやきもきさせていた新作がついに登場です。
はっきり言いまして、いつものシャフラノフがここにいます。「ああ、いいねえ」とリラックスして聴くことができる、そんな安心感、本当に嬉しいものです。
彼のお決まりのプレイスタイルに「マンネリじゃん」と文句をつけるの簡単です。でも変わらない魅力、何年も同じスタイルでスタンダードを演奏し続け、にもかかわらず尊敬されたピアニスト、エロール・ガーナー、そんなピアニストにシャフラノフもなって欲しいと思います。
それともう一つこのトリオの完成度の高さも素晴らしいと思います。何年も一緒にやっている二人の仲間、あうんの呼吸でシャフラノフをサポートしています。オスカー・ピーターソンの黄金のトリオ時代を彷彿とさせますね。
彼の良さは歯切れの良いスイング感、小粋なフレーズと選曲の良さだと思います。今回のアルバムもスタンダードからジャズメンのオリジナル、ボサノバ、クラシックと幅の広い選曲で楽しませてくれます。ビリー・テイラーの「EASY WALKER」こんな楽しい曲だったかとあらためて思いました。
ただ今回はかなり渋い選曲ですね。いわゆる有名なナンバーよりメロディの綺麗な曲を選んだのではと思います。モブレイやサド・ジョーンズのオリジナルにしても受けねらいなら他の有名なナンバーを選んだでしょう。そこにシャフラノフのポリシーを感じました。
なにはともあれシャフラノフのピアノを心ゆくまで味わいましょう!
CD ¥2500  |